『熱闘甲子園』ヒロド歩美のマスト質問に宮城大弥が珍回答 高校野球取材9年間の思い出 (3ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

【甲子園とは? 宮城大弥の独特な回答】

ーー球児たちに対する、マスト質問ってかりますか?

 やっぱり「あなたにとって甲子園とは?」ということですね。大会を終えた選手たちは、どんな負け方をしようと「最高でした」って言うことが多いんですけど、興味深いのがまだ出場していなくて、どんなイメージを甲子園に持っているかと聞く時なんです。

ーー普通は、「夢」や「憧れの場所」って答が多そうですね。

 そうなんですけど、面白かったのはロッテの佐々木朗希選手が「行ってみないとわかりません」と答えていたり、あとオリックスの宮城大弥選手は「涼しいところ」って言っていたのが印象に残っていますね(笑)。

ーーああ、宮城選手は沖縄出身ですから、あの灼熱の甲子園でさえ涼しいところかもしれない。

 彼にしか言えない答えですよね。

ーー彼らのようにのちにプロになった選手も多いでしょうし、ヒロドさんもいろんな視点や感情で現在の状況を見つめることもできるんでしょうね。

 そういう意味では、今季復活したヤクルトの奥川恭伸選手の涙のヒーローインタビューは胸に来るものがありました。私は星稜(石川)時代の奥川選手の涙を節目節目で見てきたんです。

 高校3年生の石川大会で優勝した時の涙、そして甲子園で準優勝して流した涙とか、喜怒哀楽をたくさん間近で見てきて、そしてプロになり苦しい時期を味わってのあのインタビューですからね。

 昔から取材していなければ湧くことのない感情が生まれました。でも、あの奥川選手の泣き顔は高校時代から変わってないですし、これからも感情豊かに活躍してくれることを願っています。

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