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『熱闘甲子園』ヒロド歩美のマスト質問に宮城大弥が珍回答 高校野球取材9年間の思い出 (2ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

【甲子園の宿舎取材に力を入れる理由】

ーーヒロドさんのことは、球児も存在を知っているでしょうから、取材もしやすくなっているのでは?

 以前、取材に行った時に球児から「小さい時から見ていました」って言われたんですよ。ああ、確かにそうだよなって。少年野球をやっていた子が高校球児になっているわけですし、その言葉を聞いた時は年を重ねたなって実感しました(笑)。

ーーヒロドさんの取材は球児との距離感が独特ですよね。彼らのパーソナルに迫るような。

 球児はあまりメディア慣れしていないので、私的な取材ポイントを言えば、よりぐっと近づきたいというか、素の部分を引き出したいということを心掛けています。

 初々しさであったり、一生懸命さであったり、ありのままの空気感を伝えられればなって。私が高校野球取材において意識しているのは、試合中というよりもオフの顔なんです。

 高校生らしさとか、彼らのリアルな会話や思いを伝えるのが自分の役割だと思っています。プレーに関しては、元プロ選手の古田敦也さんや斎藤佑樹さんがいらっしゃいますからね。

ーーだから選手たちの宿舎に取材に行ったりしますものね。

 彼らが一番素になる場所ですからね。基本的に負けたチームの宿舎に行くんです。甲子園球場で泣いて終わるのではなく、そのあとに笑顔で過ごしていたり、「甲子園は最高だった」と言っている様子を伝えることが、私たちの務めだと思っています。きっと高校野球ファンの方々も気にしていることだと思います。

ーー負けたら終わりのトーナメント。非情かもしれませんが、そういった緊張感のなかで戦う彼らの必死さが、甲子園大会のひとつの魅力でもあるんでしょうね。

 それもそうですし、本大会に出場できるメンバーが限られているなか、応援する側やサポートにまわる球児たちもいます。

 ベンチに入れなかった選手の親御さんの気持ちだったり、いろんな思いがチーム内にはあって、高校野球取材をしていて強く思うのは、自己犠牲の気持ちを自分のなかに落とし込んで、チームのために一緒に戦う姿というのは、いつも美しいなって。注目選手ばかりではなく、そういったところもしっかりと伝えていきたいですね。

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