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派手さはないけど野球の面白さが凝縮 センバツ出場の球児が披露した「これぞ好プレー」3選 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 4回裏には二死二塁から東海大福岡の井上和翔にレフト前ヒットが出たが、宇治山田商の左翼手・郷壱成(2年)の好返球もあって本塁でタッチアウトに。生還を許さなかった要因に、直前の牽制アウトで二塁走者のリード幅を抑えられた点もあった。伊藤に聞くと、「リードを小さくできたのは大きかったと思います」と同意した。

 最終的にこの試合を1点差でものにした宇治山田商にとって、試合序盤に見せた二塁牽制は勢いづく東海大福岡に楔(くさび)を打つビッグプレーになった。

 甲子園の大舞台で、彼らはたしかな爪痕を刻みつけた。夏に向けて、彼らがまた野球の面白さが凝縮されたプレーを披露してくれることを期待したい。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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