日大三・三木有造監督が目指す自然体 以前は嫌われ役に徹する部長だった指揮官の表情に注目! (3ページ目)
「監督をやってみて、気づいたことはありますか?」と尋ねると、三木監督は少し考えてからこう答えた。
「ずっと小倉を見てきましたけど、豪快そうに見えてすごく繊細なんですよ。『そこまで細かく考えないとダメなの?』と思うこともあったんですけど、自分がやってみたら『やっぱりそうだな』と感じました。あれこれ『言っとかなきゃ』ということが増えた気がします」
個々の能力だけを見れば、過去にもっと人材が揃っていた代はあったはずだ。それでも、三木監督は「ポテンシャルが高い選手がいるからといって、勝てるかと言うと別ですから」と語る。
「一人ひとりがやるべきことをしっかりやって、束になって戦おう。4月からずっと選手たちに言ってきています」
その意味で、今は監督がやりたい野球ができているのではないか。そう尋ねると、三木監督は「そうですね」とうなずいた。
「二宮が中心になって、選手を鼓舞してくれるので。まとまりのある、いいチームだと思います」
穏やかな口調で選手を称える今の姿こそ、三木監督の素の姿のような気がした。そんな印象を伝えると、三木監督は「どうなんですかねぇ」と苦笑してこう続けた。
「ホントはそういう感じだと思うんですけどねぇ」
新生・日大三は8月9日に甲子園初戦となる社(兵庫)戦を迎える。
選手はもちろん、ベンチの監督がどんな表情で戦っているかも注目してみてはいかがだろうか。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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