「誤植ではなく」両投左打の逸材 大阪桐蔭のドラフト候補・徳丸快晴は「練習もせず、どっちでも投げられた」 (2ページ目)
【両投両打に挑戦したことは?】
将来的に、両投げの選手としてプレーしたいと思うか。そう尋ねると、徳丸は少し考え込んでからこう答えた。
「今後内野をやる機会があればわからないですけど、今のところ左投げとして外野でやっていくのかなと。右投げで内野をやっていたのも4〜5年前なので」
現在はフリーバッティング中にボールを拾う際や、バッティングピッチャーを務める際にたまに右投げを試しているという。
ちなみに兄の天晴は右打者で、打球に角度があるスラッガータイプである。なぜ徳丸は左打者になったのだろうか。両投げのみならず、両打ちにチャレンジしたことはなかったのか。そのあたりの事情も聞いてみた。
「もとから左で打っていたので、自然と左バッターになりました。右打ちもできるかな? と思ってやってみたんですけど、こっちは違和感があってできませんでした」
兄とはタイプが違い、徳丸は自身の打撃スタイルを「芯に当てるのがうまい」と自己分析する。昨秋は練習試合を含めて109打数で喫した三振数はわずか6。大阪桐蔭が対戦するチームのレベル、高校1年時の成績と考えれば驚異的と言えそうだ。ただし、徳丸は持ち前のうまさに「強さ」を加えようと考えている。
「今のところ高校で10本ホームランを打ったんですけど、ライナー性の打球が多いんです。でも、ハマった時は高弾道の打球もあるので、それを少しずつ増やしていきたいですね。当てにいくのではなく、強く振っていくことを意識しています」
現在NTT西日本でプレーしている兄・天晴は来年に高卒3年目を迎え、ドラフト解禁となる。そして、弟・快晴も順調に成長すれば、来年のドラフト候補に挙がることは間違いないだろう。兄弟でのドラフト指名、そして両投げの行方。徳丸快晴の高校野球生活から、しばらく目が離せそうにない。
【タイトル】『離島熱球スタジアム』 鹿児島県立大島高校の奇跡
【著者名】菊地高弘
【発売日】2023年3月3日
【本体定価】1760円(税込)
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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