「大阪桐蔭の対抗馬」広陵が投打で充実 センバツ注目スラッガー真鍋慧は、OBの元虎戦士の言葉で悩みを吹っきる3安打
今回のセンバツで優勝候補の一角に挙げられている広陵に0対5で敗れたあと、二松学舎大付の市原勝人監督はこう言った。
「試合前、三番の真鍋慧くんに対しては、『アウトコースはボール球でいいから、インコースの厳しいところを攻めよう』と話していました」
今大会注目のスラッガー、広陵の真鍋慧この記事に関連する写真を見る 新チームになってからの公式戦14試合で打率.463、4本塁打という成績を残した真鍋は今大会注目のスラッガーだ。この試合では3回にレフト前ヒット、5回にレフト前のタイムリー、7回にはライトに二塁打を放った。
「うちのキャッチャーの押切康太郎の話では、真鍋くんがベースから離れて立っているから、インコースに投げるとど真ん中のボールになってしまった。甘くなると打たれそうだから、変化球でかわそうとしたんでしょうね。もっと攻めてほしかった」
豪快な一発こそ出なかったものの、真鍋は好打で勝利を手繰り寄せた。しかし、「まだ本調子ではない」と広陵の中井哲之監督は言う。
「甲子園に来てから、真鍋のバッティングの調子が悪かったんです。『感覚が......』とか『技術が......』とかいう話になっていたんですけど、OBの上本博紀(元阪神タイガース)が宿舎に陣中見舞いに来てくれた時に『最後は、技術や感覚じゃなくて、負けたくないという気持ちが大事だ』と。それを真鍋に伝えたから、気持ちが吹っきれたんじゃないでしょうか。
今はいろいろな情報があふれていて、みんなが頭でっかちになって、迷うことも多いと思う。技術を極めるために練習をやりきったプロ野球選手でも、『最後に大事なのはハートだ』と言う。今日は気持ちで勝った試合です」
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