阪神ドラ1・森木大智「消えた天才だけにはなりたくなかった」。高校入学時から苦悩と挫折を重ねた3年間
阪神タイガース・ドラフト1位指名
森木大智投手(高知3年)インタビュー
阪神タイガースからドラフト1位指名を受けた高知3年の森木大智投手【「スーパー中学生」が高校で感じた違和感】
「正直に言って先輩たちには悪いですけど、高校に入ったら試合のメンバーには絶対入れるしすぐにエースになれると思っていました」
2021年10月27日、高知高の旭グラウンド。数日後に自分たちの代の成績を超え、秋の四国大会頂点を極めることになる2年生たちの練習を眺めながら、阪神タイガースのドラフト1巡目指名を受けた森木大智は語り始める。そう、彼は高校進学前から鳴りもの入りで入学した選手だった。
地元土佐市の蓮池小時代から高知県内では快速球投手として有名な存在だった。高知中でも2年時から軟式球で140キロ後半をマークし、全国発売の野球雑誌やテレビ番組をにぎわすと、3年春にはエースとして中学軟式野球の頂点を争う文部科学大臣杯第9回全日本少年春季軟式野球大会で優勝。
さらに2018年8月、愛媛・坊っちゃんスタジアムで開催された四国中学校軟式野球大会の決勝戦では、日本中学球児史上初となる150キロをマーク。「狙って出しにいった」(森木)という。その後、全国大会で優勝し春夏連覇を達成している。
「すごい中学生がいるらしいね」。この時点で、"スーパー中学生・森木大智"の名はNPBのスカウト陣にも広く認知されていた。
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