2021年ドラフトの1位指名候補たち。圧倒的大物不在で指名はバラけるか!? (4ページ目)
希少価値の高い野手は、とくにプロ側の需要が高い右の強打者に注目したい。なかでも正木智也(慶應義塾大)、ブライト健太(上武大)の大学生スラッガーは1位指名を受ける可能性がある。
正木は今春のリーグ戦で4本塁打、大学選手権で2本塁打と結果を残してきた。ストライクゾーンからボールゾーンに曲がる変化球にピタッとバットが止まる選球眼も光り、甘いボールを逃さない集中力がある。やや遠回りする傾向があったスイング軌道が改善され、右方向にも本塁打が出るようになった。
ブライトはレギュラーになったのは4年春からという遅咲きのロマン枠。今春の大学選手権では前出の隅田から特大アーチを放ち、度肝を抜いた。常人離れしたパワーに頼るのではなく、自分の間合いに呼び込む技術も持つ。細かな課題には目をつぶり、長所を評価してくれる球団でプレーできれば爆発的なパフォーマンスを見せてくれるかもしれない。
正木もブライトも村上宗隆(ヤクルト)、安田尚憲(ロッテ)、清宮幸太郎(日本ハム)と同学年。あらためてスラッガー大豊作の学年だと再認識させられる。
以上で12名の名前を挙げ終えたが、ほかにも有力なドラフト上位候補を挙げておこう。
捕手では、プロでもディフェンス力を売りにできる古賀悠斗(中央大)が目を引く。課題だった打撃も今春はノーステップ打法を取り入れて改善し(現在は通常のステップに戻している)、リーグ戦で3本塁打を放った。
右の強打者タイプでは、有薗直輝(千葉学芸)、吉野創士(昌平)、松川虎生(市和歌山)も魅力的な素材だ。
有薗は高校通算70本塁打の長打力だけでなく、ケガに強い肉体と投手としても最速148キロを計測した強肩を武器にする。吉野は力感なくボールを運ぶスイングで飛距離を伸ばせる特長に、肉体的に成長の余地を残している点もプラス材料だ。松川は体重98キロの巨漢で、高校生離れしたパワーとバッテリーを組んでいた小園に絶えず気配り、目配りしていた内面も評価できる。
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