2021年ドラフトの1位指名候補たち。圧倒的大物不在で指名はバラけるか!?

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 10月11日に迫るドラフト会議。昨年4球団から重複1位指名を受けた佐藤輝明(阪神)や早川隆久(楽天)ほどの圧倒的な大物は今のところ見当たらず、1位指名は各球団の補強ポイントによってバラけそうだ。

 今年のドラフト戦線は「投高打低」の傾向が強いものの、プロ側としては数少ない野手の逸材を確保したい思惑もある。それだけに、順位を繰り上げてでも野手を1位指名する球団が出てくるかもしれない。近年のドラフトで言えば、2019年の小深田大翔(楽天)、佐藤直樹(ソフトバンク)、2020年の渡部健人(西武)、井上朋也(ソフトバンク)などが好例だ。

 思いがけない1位指名選手の名前が挙がる可能性もあるだけに予想は難しいが、現段階で1位指名されそうなドラフト候補をピックアップしてみよう。

ドラフト1位候補の(写真左から)風間球打、小園健太、森木大智ドラフト1位候補の(写真左から)風間球打、小園健太、森木大智この記事に関連する写真を見る 今年は高校生右腕と大学生左腕に有望株が多い。高校生は小園健太(市和歌山)風間球打(ノースアジア大明桜)森木大智(高知)の3人の右腕が中心になるだろう。

 とくにプロスカウトが高く評価するのは小園だ。身長185センチ、体重90キロと長身ながらコントロールがよく、精度の高いカットボールやツーシームなど変化球も巧みに扱う。打者のレベルや状況に応じて投球を自在に変えられるセンスは、最高峰の舞台でこそ発揮されるはずだ。

 今春の選抜高校野球大会(センバツ)では「ストレートの球威が物足りなかった」と言うスカウトの声もあったが、その点を伸びしろとポジティブにとらえる球団もあるだろう。重複1位指名が最有力視される存在なのは間違いない。

 風間は今春に一皮むけた姿を見せ、スカウト陣の評価がうなぎのぼりになった大器。今夏に最速157キロをマークした馬力に、真上から叩きつけるような縦の角度が大きな武器だ。変化球の投げ分けや精度に課題を残すものの、スケールの大きさは魅力。先発かリリーフか、投手としての適性をどう評価するかも注目ポイントだ。

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