東大の強肩捕手に巨人スカウトも熱視線。「六大学ナンバーワン」の声も (2ページ目)

  • 大友良行●文・写真 text & photo Ohtomo Yoshiyuki

 松岡は小学3年の時に地元のクラブチームで野球を始め、最初は投手だった。ノーコンだったが、球は速かった。6年生になると、肩の強さを買われて捕手に転向。中学ではボーイズリーグ所属の硬式野球部に入り、関東大会ベスト8を残すが、高校は野球で無名の東京都市大学付属高校に進んだ。

「どうしても東大野球部に入りたかった」と猛勉強し、見事、現役合格を果たした。

 強肩が売りの松岡だが、打撃はどうなのか。今春リーグ戦の法政大戦では、東大の連敗を64で止める殊勲打を放つなど、29打数8安打(打率.276)5打点と及第点の成績を残した。

「もっと確実性のある打撃を身につけたい。それに、勝つためには長打力も必要になってきます。打撃だけでなく、キャッチャーとしてもっとレベルを上げていかないといけません」

 好きなプロ野球選手は巨人の小林誠司。投手をリードする姿勢と人間性を見習いたいという。

 最後に「あなたにとって野球とは何ですか」と聞くと、「生活のすべて、松岡泰希のすべて」ですと力強く返ってきた。これまで東大出身のプロ野球選手はわずか6人で、捕手はひとりもいない。ハードルは低くないが、それでも松岡は「プロはあきらめていません」と目を輝かせていた。

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