2021.03.15

進学校の控えから社会人野球の強豪入り。
新人賞左腕が急成長した要因

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

 春のアマチュア野球開幕を告げる社会人野球の恒例イベント・JABA東京スポニチ大会で、Hondaのルーキー左腕が新人賞を受賞した。

 2試合に登板し、いずれも9イニングを完投して1失点。防御率1.00の大活躍で、Hondaの開田成幸監督は「期待どおりのピッチングをしてくれました」と称えた。

 ルーキー左腕の名前は片山皓心(ひろみ)という。

 この投手の投球を目にするたび、「人間はひとたび自信をつけたら、どこまでも伸びていくのだろうか」と思わずにはいられない。

スポニチ大会で新人賞を獲得したHondaの片山皓心 昨年10月5日に配信された拙記事「進学校の120キロ左腕が華麗に成長しプロを目指す。可能性にフタをしない」には多方面から大きな反響が寄せられた。茨城の公立進学校・日立一高の控え投手だった片山が、熱意ある指導者たちに導かれるように桐蔭横浜大に進学し、才能を開花させる成長譚だった。

 記事が公開されたあとも、片山は猛烈な勢いで階段を上っている。

 大学4年秋のリーグ戦はエースとして6勝1敗、防御率1.39の圧倒的な成績で優勝に導いた。続く関東大学ナンバーワン(東京六大学連盟、東都大学連盟を除く)を決める横浜市長杯では、初戦から3試合連続完投勝利。3連投となった決勝戦(創価大戦)の最終回に自己最速の148キロを計測するなど、同期の渡部健人(西武ドラフト1位)の特大弾も霞むような活躍で大会MVPに輝いた。

 大会後、片山は大勢のメディアに囲まれ、恩師への感謝を語っている。

「高校時代の中山(顕)先生には、『根拠はあとづけでいい』と言われていたんです。根拠のない自信を持っていれば、あとになって根拠がついてくるからと。大学では監督さん(齊藤博久監督)がずっと我慢して待っていてくれて。結果が出なくても社会人や強い大学とのオープン戦に連れていってくれて、僕が上がってくるのを待ってくれました」