センバツ優勝へ強化すべきは「打」か「守」か。3人の名将が語るチームづくり (2ページ目)
打者については、技術に大きな変化はないと思いますが、トレーニングの進化でパワーがついて、少々詰まってもスタンドに放り込めるバッターが増えました。そういった意味でも、打者優位の状況になっているのではないでしょうか」
2016年のセンバツで、エース・村上頌樹(しょうき/阪神)の快投で初優勝した智弁学園(奈良)の小坂将商(まさあき)監督は、近年の"ある変化"を感じ取っていた。
「センバツは投手力だけでなく、守備力も大切だと思いますが、近年はバッティングマシーンの進化もあり、打つ量が劇的に変わってきました。それによって、どこのチームも打ち勝ちたいという意識が強くなっているように思います」
ここ十数年で大会前から"剛腕"と騒がれ、優勝した投手は2009年の清峰(長崎)・今村猛(広島)や、2012年の大阪桐蔭・藤浪晋太郎(阪神)くらいで、好投手を擁したとしても勝ち抜くのは容易ではなくなっている。
さらに昨年から、投手は1週間500球以内という"球数制限"が設けられことも打力強化の流れに拍車をかけているのかもしれない。
2年ぶり開催となるセンバツ大会は、投手を中心とした守備力のチームが勝つのか、それとも攻撃力あるチームが制するのか。その行方からも目が離せない。
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