空タッチに「アウト」で猛抗議。主将が目にしたグラウンド内外の混乱 (5ページ目)

  • 菊地高弘●取材・文 text by Kikuchi Takahiro

 60歳も見えてきた国府田さんだが、いまだにグラウンドに立ち、現役の草野球プレーヤーとして野球を楽しんでいる。コロナ禍による自粛期間中には、「コロナ明けにピッチャーに挑戦したい」と、トレーニングやシャドウピッチングに励んでいたという。そして、よく対戦するチームはなんと関さんが監督を務めるチームだ。

「僕のチームと関のチーム合わせて10数人、川口工業の野球部OBですよ。みんなもういい歳なんだけど、体力があります。それは基本的なことをやり続けた、監督の教えが残っているのかもしれませんね」

 最後に国府田さんに聞いてみた。「あの動画が世に出たことで、生活面に不都合はありませんでしたか?」と。

 国府田さんは首を横に振って「迷惑だとか、全然ありませんよ」と笑って、こう続けた。

「でも、なんであの動画がアップされたんですかねぇ。しかも、画質がすごくいいのが不思議なんですよねぇ」

 甲子園にも出ていない、プロ野球にも入っていない、全国的に無名で、ちょっぴりやんちゃだった高校球児たち。40年の時を経ても、彼らは高校時代の誇りを胸に今を生きていた。

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