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明徳のエースは「精密機械」の完成度。
打者の筆頭格は台湾からの留学生 (2ページ目)

  • 井上幸太●文 text by Inoue Kota
  • photo by Kyodo News

 野手では台湾からの留学生、強打の二塁手・曾昱磬(ソウ・ユウチン)が筆頭格。ヘッドを揺らしながら間合いを図り、自分のポイントに呼び込んで打てる左の強打者だ。昨秋の県大会準決勝では、11対10の大乱打戦の末、明徳義塾を下したが、同じく準決勝で顔を合わせた四国大会では1対16の痛恨の5回コールド負け。お互いに勝ち進めば、決勝で戦う組み合わせとなった今夏に3度目の対決が実現するかも注目したい。

 秋の県大会準優勝、四国大会でも英明(香川)、済美(愛媛)の甲子園常連校を撃破して4強入りを果たした岡豊(おこう)の田中澪哉(りょうや)も注目したい左腕のひとり。

 ゆったりとした間合いから投じるストレートは、球速以上に手元で威力がある。四国大会準々決勝の済美戦で延長10回181球を投げ抜くなど、心身のスタミナも充実。岡豊では、エース格として期待されている右の川村元春も楽しみな存在だ。

 そのほかの投手では、中学時代から圧倒的な知名度を誇る高知の2年生の剛腕・森木大智に負けじと研鑽を積んできた右の安岡拳児、左の森本航の3年生コンビの活躍にも期待したい。また、来季は森木との熱い戦いが予想される高知商の長身右腕・竹内太一(2年)も注目のひとりだ。

 1年夏にレギュラーとして甲子園を経験した高知商の西村貫輔は、食トレに励んで秋から6キロの増量に成功。パワーみなぎる攻守を最後の夏も披露するつもりだ。その西村と二遊間コンビを形成する元山晶斗のグラブさばきも見逃せない。

 岡豊の左の巧打者・阪口太誠は、警戒されても無安打で終わらないしぶとさと集中力が光る。高知中時代は投手として鳴らした高知の濵田世(はまだ・せい)は、強肩強打の外野手として最後の夏に勝負をかける。

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