2020.07.17

右のパワーヒッター揃う今年の島根。
石見智翠館は140キロカルテット完成

  • 井上幸太●文 text by Inoue Kota
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

スポルティーバ厳選! 
高校野球 47都道府県の注目選手
島根編

 新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を開催する。島根では、7月17日から「令和2年度島根県高等学校夏季野球大会」が開幕する。例年同様トーナメント制で県王者を決定する同大会。活躍が期待される選手たちを紹介する。

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最速147キロを誇る石見智翠館の本格派右腕・佐藤辰憲 注目投手として真っ先に思い浮かぶのが、石見智翠館の強力投手陣だ。中心となるのは、2年生だった昨夏の甲子園でも救援登板した右の本格派・佐藤辰憲(たつのり)。ストレートの最速は県内トップの147キロ。ストレートだけでなく、鋭く変化する縦のスライダーも強力で、短いイニングなら圧倒できるポテンシャルを持つ。

 佐藤だけでなく、柔らかい腕の振りで両サイドを攻める中山広大(こうだい)、馬力を感じさせるフォームから剛球を投じる京極翔也がともに最速145キロ、次期エース候補の2年生・山崎琢磨も140キロに到達。140キロ右腕4人の分厚いブルペン陣で夏連覇を狙う。

 搭載しているエンジンの大きさでは、立正大淞南の三宅海夢(かいむ)も負けていない。昨夏時点で最速143キロだったストレートは、オフに取り組んだ筋力アップとフォーム改造で146キロまで増速。投球動作全体がスムーズになり、上・下半身の連動が決まったときの高めのストレートの迫力も数段増した。

 今年3月に「やくざ監督」の愛称で親しまれた野々村直通(なおみち)前監督が電撃復帰した開星の3投手も、それぞれ違った強みを持つ。

 昨秋に続き、今夏もエースナンバーを託された岸田将太は、絶妙なボールの出し入れで勝負するテクニックタイプの右腕。3番手で登板した昨夏の島根大会決勝では、延長13回に痛恨のサヨナラ押し出し四球を献上したが、元来は制球力に長けた投手。この夏、エースとして持ち味を存分に発揮してほしい。

 左腕の岡山倖樹は、内角を果敢に攻める度胸と、手元で微妙にスライドするクセ球が面白い。右打者の内角にカット気味に切れ込むクロスファイアーは、強打者にも通用する武器と見る。

 夏に向けてグングン台頭してきたのが、本格派右腕の田中祥太朗。球速、球威はチーム随一で、この夏を戦う上でのキーマンとなりそうだ。