2020.07.09

ドラフト指名請負人の育成術。
元広島・西田真二が選手に伝えていること

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

「ボールの勢いがあるとか、いいものを持っている選手はこれまでいくらでも見てきましたよ。でも、もうひとつ突き抜けていかないと、上(NPB)のレベルには行けません」

 マスク越しに見える眼光は鋭くも温かみがある。まるで西田真二監督の指導者としてのスタンスを象徴しているかのように。

今年1月1日付けでセガサミーの監督に就任した西田真二氏 現役時代はPL学園のエースで4番を担い、1978年夏の甲子園優勝。法政大でも外野手として5度のベストナインを獲得。エリートコースを歩んだ末、西田は1982年にドラフト1位で広島に入団した。

 プロではおもに代打の切り札として存在感を示し、1991年には規定打席にこそ到達しなかったものの、シーズン後半に4番打者としてチームのリーグ優勝に貢献。「トラ」の愛称で親しまれた。

 現役引退後は、長らく独立リーグの四国アイランドリーグplusの指導者を務めた。リーグが創設された2005年は愛媛マンダリンパイレーツの監督に就任。1年挟み、2007年から2019年までの13年にわたり、香川オリーブガイナーズの監督を務めた。

 又吉克樹(中日)ら、NPBのドラフト指名を受けた教え子は20人を超える(育成ドラフト指名を含む)。西田監督の確かな指導力と、NPBスカウト陣へのプレゼン能力の高さは球界で評判になっていた。

 そんな西田監督はここ数年、「独立リーグではやり切った」という思いを抱いていたという。そんな折、タイミングよくセガサミーからの監督就任の打診を受け、社会人野球の世界に移ったのだった。