2020.07.05

機動破壊→スペクタクルベースボールへ。
健大高崎が目指す大仕掛けの野球

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 健大高崎といえば「機動破壊」。その二つ名を記憶している野球ファンも多いことだろう。「表」のキャッチコピーが機動破壊なら、「裏」のキャッチコピーは「県外高崎」だった。とくに群馬県内では、県外出身者の多い健大高崎野球部を揶揄して「県外高崎」と呼ぶ人が多かったのだ。

 だが、青柳博文監督は「最近は県外高崎と言われることも少なくなってきました」と語る。

 今でも部員の半数は県外出身者であり、昨年度は北海道から沖縄まで22都道府県から選手が集まった。健大高崎の「共存共栄」という精神や機動力を前面に押し出した戦いぶりが県内に浸透し、批判が目立たなくなったのかもしれない。

昨年秋の関東大会を制した健大高崎の下慎之介と戸丸秦吾の群馬出身バッテリー 昨秋は県大会準決勝で宿敵・前橋育英に敗れながらも、群馬開催の地の利を生かし3位校として滑り込み出場した関東大会で優勝。青柳監督は「関東大会では群馬のお客さんが本当にたくさん声援を送ってくださって。『県民に応援されているなぁ』と感じました」と振り返る。

 健大高崎が応援されるチームになったひとつの要因として、「群馬出身バッテリー」の存在も大きいのかもしれない。エース左腕の下慎之介(しも・しんのすけ)と高校屈指の強肩捕手である戸丸秦吾(とまる・しんご)。ともに高崎ボーイズ出身である。

 下は言う。

「『県外高崎』と言う人もいるなかで、軸のバッテリーが県内出身で『群馬のバッテリーでも活躍できる』というところを見せつけたいです」