大学野球のドラフト「隠し玉」。
公式戦未勝利、無安打でもすごい男たち (2ページ目)
この華やかな球歴を見ると、"隠し玉"という表現は不似合いだ。だが法政大では、これまでリーグ戦は2試合のみの出場で、ヒットは1本も打っていない。
それでも青木監督は、村田の変化をこのように語る。
「固定概念が強いところがあったのですが、今年は捨て身というか、いい意味でがめつくなりました。目つき顔つきが全然違います。インナーが強くなってバッティングの際に体が開かなくなりましたし、心身ともタフになって練習もたくさん課せるようになりました」
野手ではほかにも、ともにリーグ戦通算4安打ながら、それぞれ青木監督が「器用で内野ならどこでもこなせて肩も強い」と評する佐藤勇基、「ヤクルトにいった中山翔太ぐらいのポテンシャルがある」と語る身長185センチの大型内野手・羽根龍二らも、選手層の厚いなか3年間埋もれていたが、プロにいくだけの力は備えているという。
いずれにしても、8月開催予定の短期決戦の春季リーグ(1回戦総当たりで各チーム計5試合)に調子を合わせることができるかどうかも、今後の進路を大きく左右しそうだ。
"戦国東都"と称される東都大学野球には、公式戦未勝利ながらNPB入りを狙う投手がいる。国学院大の上出拓真と立正大の倉田希の両右腕だ。
上出は最速148キロを投じる本格派。札幌第一高時代は2年秋にエースとして北海道大会を制し、チームを翌春のセンバツ出場に導いた。
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