2020.06.30

菊池、大谷、佐々木と続く好投手の系譜。
今年も岩手に要注目の怪腕が2人いる

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

スポルティーバ厳選! 
高校野球 47都道府県の注目選手
岩手編

 新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その替わりに、各都道県は独自の代替大会を行なうとしている。岩手では7月1日から県独自の代替大会がスタート。白熱の試合が期待される中、注目選手を紹介する。
サイドスローから最速145キロを誇る盛岡大付・大久保瞬

 好投手が生まれる県として定着しつつある岩手県において、今年の注目は花巻東の松本遼大(りょうだい)と盛岡大付の大久保瞬の両右腕だ。

 本格派の松本は、滝沢二中時代は軟式野球部に所属し2番手投手だったが、高校入学当初から期待され続けた選手だった。上背を生かし、柔らかさも兼ね備えた投球フォーム。1年秋には同校の大先輩である菊池雄星(マリナーズ)や大谷翔平(エンゼルス)といった歴代の好投手たちが背負った出世番号「17」をつけて、東北大会のマウンドに立った。

 だが、2年生になると成長曲線は緩やかになり、夏の甲子園ではベンチ外に。同年秋の東北大会では登板機会こそあったが、エースナンバーを背負うことはなかった。

 ところが、ひと冬越えて急成長。体重増加に加え、精神面もたくましくなり、エースになるという自覚も芽生え、チーム内の信頼を勝ち取った。全国で唯一、新型コロナウイルスの感染者が出ていない(6月28日現在)岩手では4月から学校生活が再開され、練習試合も県内限定で行なわれてきた。

 そんななか、松本は投手陣の柱として登板機会を増やしエース格に成長。140キロ中盤に迫るストレートはまだまだ伸びしろがある。周囲からは「指先の感覚がすぐれている」と評価されるように、スライダー、フォーク、チェンジアップの変化球も一級品になる可能性を秘めている。大化けの予感漂う本格派右腕のいっそうの飛躍が楽しみだ。