ドラフト候補・元山飛優の成長。大塚光二監督の言葉で自己中が消えた (3ページ目)
それがきっかけとなり、元山は少しずつ変わっていった。上級生に対する気遣いはもちろん、下級生に対しては思いやりの気持ちを見せ、真摯に野球に取り組むようになった。そうした姿勢は結果となって表れた。
2年春のリーグ戦では、打率.486、打点12を記録して、首位打者と打点王の二冠を達成。最優秀選手賞(MVP)にも選出された。2年秋は数字を落としたが、3年春は復調して打率.438と再びハイアベレージをマーク。大学球界を代表する遊撃手へと成長した。
大塚監督は言う。
「本人がどう思っているかはわかりませんが、僕自身は3年生になって、かなり人間的に成長したと思います。本人は『まだまだ成長していない』と思っているかもしれないですけど......。そういう点では、まだまだ成長できる選手だと思っています」
成績が上がるにつれて、相手バッテリーの攻めも厳しくなってきた。ストレート勝負は極端に少なくなり、四球覚悟で両サイドに厳しいボールがくる。めったに来ない甘い球を1球で仕留めなければいけないプロ並みの技術を要求されるようになってきた。
今年はそうした攻めに対応できるよう、長めのバットを短く持ち、フォーム改造にも取り組んだ。
「どんなボールにも対応できるようになってきました」
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