2020.04.09

慶大ドラフト候補右腕は超逸材。
楽天・藤平が「僕よりすごい」と認めた

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 そのピッチング姿を見れば、この投手が3年間でリーグ通算3勝しか挙げていないとは到底思えないだろう。

 身長182センチ、体重78キロの長身かつ均整のとれた体つきに、リリースポイントが高く角度のついた最速155キロの快速球。140キロに迫るカットボールとスプリットに、縦に割れるカーブ。速球でも変化球でも勝負できて、まだ伸びしろを感じさせるとあってはドラフト上位候補に挙がらないはずはない。

小学6年の時にロッテジュニアで優勝した慶應大・木澤尚文 慶應義塾大の木澤尚文は、3月20日のHondaとのオープン戦に先発登板した。社会人の強豪を相手に6回を投げ、被安打4、奪三振8、与死球3、失点1。バックネット裏に詰めかけた大勢のスカウトの前で、その実力を見せつけた。

「前回の登板で『いかにストライクゾーンで勝負するか』という反省点が出たので、今日はそれを生かしながら、強いチーム相手に最小失点で抑えられたのはよかったと思います」

 試合後、木澤は野球部を通してそんなコメントを出している(以下、カギカッコ内同)。ストレートの球速は150キロを計測した。

 圧巻だったのは5回裏の投球だった。味方のエラー絡みで1点を失って、なおも無死満塁のピンチを背負い、2番の津田翔希を打席に迎えた場面。2ストライクと追い込んだ木澤は、外角低めにストレートを突き刺し、見逃し三振を奪った。前述したように、木澤のボールには角度がある。打者にとってとらえにくい球筋がピンポイントに決まり、流れを呼び込んだ。