桐蔭横浜大のドラフト候補
「おかわり君2世」は体重113kgで盗塁成功
メンバー表には「身長175センチ/体重115キロ」という数字が記されていた。
その肉体の持ち主である渡部健人(わたなべ・けんと)に聞くと「ベスト体重は113キロです」という、こだわりを感じさせる言葉が返ってきた。
高校時代から注目のスラッガーだった桐蔭横浜大の渡部健人 野球選手としては「巨漢」の部類に入る。それなのに、渡部の動きには鈍重さがない。50メートルを6秒3で駆け抜け、今年からメインとして取り組む三塁守備も柔らかいハンドリングで無難にこなす。
渡部は「もうこの体に慣れちゃったので」とあっけらかんと話す。
「中学の頃から指導者の方に『やせろ』と言われてきましたけど、やせられなかったんです。どうしても食べちゃうんで。でも、この体できついと思ったことは一度もないんですよ。疲れることはあっても、『体が重いな』と感じたことはないんです」
大型選手はヒザなど負荷のかかる関節を痛めるケースが目立つが、渡部はヒザ関節を痛めた経験が皆無だという。渡部にとって、113キロがプレーするにあたっての最適な体重なのではないか。そう尋ねると、渡部は「僕もそう思います」とうなずいた。
チーム内での愛称はその名から「ベッケン」。だが、一部のメディアは「おかわり君2世」のキャッチコピーをつける。埼玉西武ライオンズの本家・中村剛也は大阪桐蔭高出身だが、こちらのおかわり君は桐蔭横浜大の所属。今秋のドラフト候補に挙がる強打者である。
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