上野由岐子が渋野日向子から得たもの「笑顔はパフォーマンスを変える」 (3ページ目)
万全の準備をして東京五輪に臨みたいと語る上野由岐子―― イヤホンも装着していますが、どんな音楽を聴いているのですか。
「適当です。何曲かピックアップして、それをランダムに聴いています。日本リーグ決勝トーナメントの時はleccaさん、あとはWANIMAさんとか。一応、自分に響く曲を選んでいますけど、音楽でテンションを上げるというより、雑音をシャットダウンすることが一番の目的です。試合前の大事な時間に声をかけられたり、カメラに追いかけられるというのがストレスで......。
でも、わかっているんです。メディアの人はそれがお仕事ですし、私の思うようにならいことはわかっています。要は、私が大人になればいいんですけど、なかなかなれなくて(笑)。ただ、そういう状況も自分のなかである程度想定はしています。いちいち自分の感情をコントロールできずにイラっとしても仕方ないですからね」
―― まもなく、巨人の菅野智之投手やソフトバンクの千賀滉大投手と一緒に「鴻江スポーツアカデミー」での自主トレが始まります。
「刺激になるのはもちろんだし、この時期に(彼らが)どのようなボールを投げるのかを見るのが楽しみです。同じ時間を共有するので、いろんなことに気づくと思うし、ちょっとした仕草など、ずっと見ているとわかることがあるんですよ。そういうのは楽しみですね」
―― 身も心も本番モードに近づいているといったところですね。東京五輪でソフトボールを楽しみにしているファンの方も多いと思います。最後にメッセージをお願いします。
「やっぱり、私のなかでは2018年の千葉での世界選手権がすごく思い出されます。最後はアメリカに負けて準優勝という結果でしたけど、決勝戦は試合が進むにつれてスタンドからの"上野コール"がすごくて、ものすごい迫力でした。普段は集中していて、スタンドからの声援もほとんど入ってこないのですが、あの時ははっきりと聞こえて。『自分はこれだけのファンに支えられているんだ。背中を押されているんだ』と。長くソフトボールをやってきましたが、初めての感覚でした。
世界選手権であれだけすごかったんだから、東京オリンピックはもう......。みなさんの期待に応えられる結果を出したいですし、周りの誰よりもグラウンドに立つ選手たちが金メダルを獲りたいと思っているんです。とにかく後悔しないように、とことん準備して戦いたいと思っています。本当に集大成というか、今年で38歳になるのですが、もう30年くらいはソフトボールとともに生きている。だから、私の30年分のすべてを1球1球に表現できたらいいのかな。
東京オリンピックが終わったあとのことは、終わってから考えようと思っています。今は考える余裕がないし、結果次第でいろんな感情が生まれてくると思う。その時にどんな感情になるのか、今は読めないです。その日にならないとわからないけど、もしかしたら決勝戦が終わったあとは"特別な一瞬"になるのかな」
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