センバツベストナインを選出。プロの記者たちも唸った最高の選手たち (2ページ目)

  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

準々決勝の智弁和歌山戦で先頭打者&サヨナラ弾を放った明石商の来田涼斗準々決勝の智弁和歌山戦で先頭打者&サヨナラ弾を放った明石商の来田涼斗■楊順行氏

投手/奥川恭伸(星稜)

捕手/東妻純平(智弁和歌山)

一塁手/桜井亨佑(習志野)

二塁手/表悠斗(明豊)

三塁手/石川昂弥(東邦)

遊撃手/熊田任洋(東邦)

外野手/根本翔吾(習志野)

外野手/来田涼斗(明石商)

外野手/福岡大真(筑陽学園)

 投手は、初戦の履正社戦で自己最速の151キロをマークし、強豪相手に3安打完封、しかも17奪三振の快投を見せた奥川恭伸。大会ナンバーワンという評価にふさわしい投球だった。

 東妻純平が遊撃手から捕手に転向したのは高校入学後だが、捕手としてプロ野球を経験した中谷仁監督にみっちり叩き込まれ、高校を代表するキャッチャーへと成長した。初戦の熊本西戦ではホームランを放つなど、打つでも進化を遂げている。

 一塁は、星稜の奥川から2安打し、準決勝の明豊戦では同点の8回に値千金の勝ち越し本塁打を放った桜井亨佑。昨年秋の大会は背番号15で、決してチームの中心選手ではなかったが、試合を重ねるごとに存在感を発揮。バッティングもさることながら、守備でも好プレーを連発しチームを救った。

 トップバッターとして横浜戦で3安打2打点の活躍でチームに勢いをもたらした明豊の表悠斗をセカンドで選出。明豊は横浜のみならず、神宮大会の覇者・札幌大谷、龍谷大平安と次々と強豪校を破り、春夏通じて初の4強入り。主将としてもチームをまとめ上げた。

 三遊間は石川昂弥、熊田任洋の東邦コンビ。今大会石川はエースナンバーを背負い、決勝では習志野相手に3安打完封の快投を演じたが、森田泰弘監督が「野手では世代ナンバーワン」と言うように野手として選出。

 熊田は東邦の4番として19打数8安打の活躍を見せ、驚くべきは5試合で三振わずか1というミート力の高さ。守備でも抜群の安定感を誇り、センターに抜けそうな打球を何度もアウトにして見せた。

 外野手は根本翔吾、来田涼斗、福岡大真の3人。根本は初戦の日章学園戦で3安打、明豊戦ではダブルスチールで本塁を陥れるなど、走攻守にわたってセンスのよさを見せつけた。

 来田は、なんといっても準々決勝の智弁和歌山戦の先頭打者&サヨナラ弾が印象深い。これは甲子園史上初めてのことだった。高校進学の際、48校から誘いがあったほどの逸材。まだ2年生で、これからの成長が楽しみな選手だ。

 福岡大真の父・真一郎さんは1994年夏、樟南のエースとして甲子園準優勝の経験を持つ。そのDNAを受け継ぐかのように、息子も甲子園で躍動。3試合すべてでヒットを放ち、2回戦の山梨学院戦では決勝タイムリー。江口祐司監督は「夏に向けては、福岡が中心になると思います」と語っていた。

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