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あの夏の大フィーバーから4カ月。
再び甲子園を目指す白山高校の今 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sportiva

「自分たちの日頃のいい加減な行ないが最後に出て、三重高に負けたのだと思います。去年は気を引き締めてオフに練習できたから、甲子園に出られました。いかに冬に取り組めるか、意識を高めて課題を克服できるかが大事だと思います」

 三重高との練習試合を終えた直後、白山の選手たちは大量のボールをグラウンドに運び込み、広い敷地を生かしてロングティーを始めた。東監督はそんな選手たちを眺めながら、こう言った。

「甲子園で名電さんのような全国レベルの打撃を間近に見て、ものすごく参考になりました。『ウチも振らなアカンで』と言って、去年よりもたくさん振り込んでいます。去年は600スイングくらい振ると選手に『しんどいオーラ』が出とったのが、今年は、800は平気で振りますから。冬場は、一日1000回は振ろうと話しています」

 甲子園で戦った縁から、愛工大名電とは2019年5月に練習試合を組んだという。障害物だらけだった獣道を先輩たちが切り拓き、後輩たちはその道をさらに踏み固めようとしている。

 また、12月には白山野球部の取り組みに感銘を受けた地元企業から、ピッチングマシンが寄贈されるというサプライズプレゼントがあった。これまで白山の速球対策といえば、コーチ陣が短い距離から打撃投手をするという原始的な方法しかなかっただけに大きな補強になった。さらに古くなっていた倉庫も取り換えられるなど、着々と環境整備が進んでいる。

 山あいの小さな町から再び甲子園へ──。白山野球部は、今日も広い空の下で快音を響かせている。

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