荒木大輔も圧倒。帰る気満々だった池田が甲子園の歴史を塗り替える (5ページ目)

  • 元永知宏●取材・文text by Motonaga Tomohiro
  • 岡沢克郎●写真photo by Okazawa Katsuro

 決勝日前日、選手たちはひそかに構想を練っていた。蔦をどうやって胴上げするかについて話し合ったのだ。

「でも、試合が終わったら新聞記者に囲まれて、選手たちはバラバラに勝手なことをしてるし、そんな暇はありませんでした。結局、インタビューがあったり閉会式があったりして、甲子園では蔦先生の胴上げはできなかった。宿舎に戻ってからしたのかな? 天井にぶつかりそうだったことを覚えています。優勝を一番喜んだのは蔦先生です。先生が喜んでくれればそれでよかった」
 
 池田の「やまびこ打線」はこの大会で数多くの新記録を残した。

1大会チーム本塁打=7本
1大会最多安打=85本
7者連続安打(決勝)
1大会チーム通算最多塁打=121
※記録は1982年当時のもの

 技から力へ。池田の全国制覇をきっかけに、高校野球は大きく変わっていった。

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