女子ソフトボール世界選手権開幕。強固な守備で日本が王者を奪還する
金メダルの、その先へ。
ソフトボール女子日本代表(愛称・ソフトジャパン)のホームページには、そんな印象的なコピーがある。その前段をちょっと引用させてもらうと、
わたしたちのゴールは、金メダルではありません。
1度オリンピック競技でなくなったという過去があるからこそ。
ソフトボールを、メジャーで、もっと多くの人から愛される競技へ。
世界のソフトボールを変えていきたい。
世界最強のチームとして。
2020年の東京五輪でも中心選手として期待がかかる長崎望未 2008年、北京オリンピック。日本は「上野の413球」と称された上野由岐子の感動的な力投で、念願の金メダルを獲得した。だがソフトボールと野球は、北京の次のロンドン大会以降、正式競技から外れた。
2020年東京大会では、開催都市提案の追加種目として実施されるが、2024年のパリ大会以降も実施されるかは、まだ決まっていない。「ソフトボールを、メジャーで、もっと多くの人から愛される競技」にするのは、存続へのひとつのカギだといっていい。
となると、8月2日に開幕する「第16回WBSC世界女子ソフトボール選手権大会(以下、世界選手権)」は、競技の魅力をアピールする大きなチャンスだ。
世界選手権は、1965年の第1回から4年に一度(2010年からは2年に一度)開催されてきた歴史のある世界一決定戦で、しかも今年は1970年の大阪、1998年の静岡に続く、20年ぶりの日本開催だ。
千葉市をはじめ千葉県内の4市で行なわれるから、北京五輪のような魅力的な熱戦を見せれば、五輪正式種目に復活という気運がますます盛り上がる。
ソフトジャパンを率いるのは、宇津木麗華監督。自身は選手としてシドニーとアテネの五輪で銀、銅メダルを獲得。監督としても、2012年の世界選手権でアメリカを倒して32年ぶりの優勝を果たすと、2014年も連覇に導いたキャリアの持ち主だ。
「オリンピックより、世界選手権の方がある意味では厳しい。たとえば2008年の北京オリンピックでは出場が8カ国でしたが、世界選手権は16カ国です。オリンピックなら、出場国の特徴は大体わかるんですが、たとえば今回なら、メキシコやプエルトリコといったチームの情報がまだ少ない状態。
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