神宮枠で混迷。同一都府県から3校のセンバツ出場はなぜダメなのか? (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 過去のセンバツを振り返ると、1933年に和歌山から4校、37年には愛知から4校が出場している。80年以降では、88年の大阪(上宮、近大付、北陽)や、95年の兵庫(報徳学園、育英、神港学園)、2001年の茨城(水戸商、常総学院、藤代)が一般選考で同一都府県から3校出場を果たしているが、01年を最後に同一都府県から3校の出場はない。

 戸田氏によると、神宮大会枠と希望枠(現在は廃止)が制定されたのと同じ2003年に、一般選考による同一都府県から3校の選出はしない(21世紀枠は別)という"内規"ができたのだという(北海道はもともと1枠なので、一般選考による3校選出は想定されない)。

 そもそも"神宮枠"というのは、特別枠ではなく、あくまで神宮大会で優勝した地区の一般選考枠がひとつプラスという考えなのだ。この認識が各チームの関係者やファン、マスコミも含め十分に浸透していないことは課題だが、つまり内規に沿うと一般選考枠では同一都府県から3校の選出はないということになり、上宮太子の出場は極めて厳しいと言わざるを得ない。

 近畿のある高校野球関係者は今回の選出校を予想しながら、"内規"についてこんなことを口にした。

「正確な文言がどんなものか知りたいですね。仮に、『同一都府県から3校を禁ずる』というなかに、『原則として』といった一文でもあれば、例外もあるのかなという気持ちになりますよね」

 だが、戸田氏によると「私の知る限り、書面化したものはなく、あくまで選考委員に伝達しているレベル」だという。

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