神宮枠で混迷。同一都府県から
3校のセンバツ出場はなぜダメなのか?
話し合いによってなにかを選ぶ――"選考"というのはいつのときも難しく、誰もが納得する結果を得るのは極めて難しい。
たとえば、今年の大晦日に行なわれる紅白歌合戦の出場歌手が発表されると、その選考にも様々な声が飛び交った。明確な選考基準があるわけではなく、どの立場に立ってみるかで捉え方は大きく違ってくる。そんな紅白の騒動を見ていて頭に浮かんだのは、来年1月27日に行なわれるセンバツ大会の出場選考会のことだ。なかでも注目は近畿の選考にある。
履正社が神宮大会を制し、近畿に神宮枠が与えられた まず、センバツ大会の選考について説明したい。通常(記念大会を除く)は、全国の10地区(北海道、東北、北信越、関東、東京、東海、近畿、中国、四国、九州)から秋季大会の戦いを踏まえた一般選考で28校が選出され、そこに神宮大会で優勝した高校が所属する地域に"神宮枠"としてプラス1枠が与えられる。さらに、恵まれない環境や、地域にいい影響を与えているなどの理由で3校を"21世紀枠"として選出し、計32校がセンバツ大会に出場することになる。
近畿の場合、一般選考枠は6で、秋季大会ベスト4に勝ち上がった4校はほぼ当確となり、残り2つはベスト8で敗れた中から選ばれるのがほとんどだ。今年の場合だと、優勝した履正社、準優勝の神戸国際大付、ベスト4進出の大阪桐蔭、滋賀学園の4校はまず当確。あとの2つを、智弁学園、報徳学園、上宮太子、高田商業の中から選ぶことになるが、上宮太子と高田商業は準々決勝でコールド負けを喫し、地域性のバランスから考えても智弁学園、報徳学園の2校が有力になる。
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