清宮幸太郎と安田尚憲、東西の怪物スラッガーは互いにどう意識するか

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「清宮くんはちょっとレベルが違いましたですね。ヘッドが凄く速く振れますし、高校生ではなかなか抑えられないすごい打者だと思いました。安田はまだまだ清宮くんのレベルではありませんので。この冬に必死で頑張って、少しでも近づけるように努力してもらいたいと思います」

 明治神宮大会を制覇し、優勝監督インタビューに答えた履正社の岡田龍生監督は、清宮幸太郎(早稲田実)と教え子の安田尚憲(ひさのり)を比較してこう語っている。この言葉を「謙遜」ととる向きもあるだろうが、おそらく限りなく本音に近い言葉だったのだろう。

新チームでは主将としてもチームを引っ張る清宮幸太郎新チームでは主将としてもチームを引っ張る清宮幸太郎 184センチ97キロの清宮幸太郎と、188センチ92キロの安田尚憲。ともに右投左打のホームランバッターで、2017年のドラフト戦線を賑わす存在になりそうな2人が、秋の明治神宮大会決勝戦で豪打ショーを演じた。 

 まず"東のスラッガー"清宮が初回に高校通算76号の先制ホームランを放てば、"西のスラッガー"安田は高校通算44号の勝ち越し3ランホームランを放り込む。両雄ともにホームランを放つ役者ぶりに、スタンドは大いに盛り上がった。

 試合は序盤の打ち合いを制した履正社が11対6で早稲田実を下した。2安打4打点を挙げて優勝に貢献した安田が、素晴らしい素材であることは間違いない。しかし、それ以上に清宮の凄まじさが浮き彫りになった試合でもあった。

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