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この夏は履正社・寺島成輝「必殺・空振りストレート」に注目 (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 秋からの取り組みで体と技術がレベルアップし、春から寺島が手応えを口にした通り、ワンランク上のストレートを投げられる状態に仕上がっていったのだろう。そこにセンバツ王者やプロ注目のライバルと対した2戦は、心に熱がこもり、これまでを超えるボールになったのだろう。寺島は言う。

「(大体大浪商戦は)相手も力があって、厳しい試合になると思っていました。そういう意味で力が入ったというか、高い力を出せたのかなと思います」

 相手が強く、舞台が大きくなるほど寺島の力が引き出されることは春、そして夏の戦いではっきりした。だとすれば......甲子園はこれ以上ない舞台となる。

「そうなったらいいですね」

 エースに代わり、井町が力を込めた。

「全国から出てくる強力打線のチーム、ホームランをよく打っていると聞いた横浜(神奈川代表)とやってみたいです。そういう相手でも強気で攻めて、粘られても最後に空振り、要所で三振を取りたい。そのために磨いてきた真っすぐを甲子園で投げてもらいたいですね」

 大阪大会4試合、29イニングを投げ、13安打、43奪三振、10四死球、1失点。圧倒的な数字と、最大限の力が出そうな予感を引っ提げ、寺島成輝がいよいよ甲子園のマウンドに立つ。

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