2014.06.24

高卒3年目、日本ハム・上沢直之に大器の予感あり

  • photo by Nikkan sports

吉井理人の投究論 第13回

 日本ハムの上沢直之投手が投げるたびに成長しています。マウンド上の冷静な立ち振る舞いを見て、まだ一軍経験が少ないのに「すごいな」と思っています。彼は、僕が一軍の投手コーチをしていた2012年に入団してきたのですが、最初に見た時の印象は「まだ子どもの体だな」ということでした。即戦力として投げる高卒の投手とは、体つきが全然違いました。

専大松戸高3年の2011年にドラフト6位で日本ハムに指名された上沢直之。

 その上沢投手が、高卒3年目となった今シーズン、初めての一軍を経験し、ここまで(6月23日現在)6勝3敗、防御率3.41を記録しています。彼が一軍で順調に勝ち星を伸ばすのには理由があります。

 まずは上沢を当初の育成方針通り、プロとしての体力作りに時間を割いたことが大きいと思います。2012年のキャンプ前のスタッフミーティングで、上沢について「試合にはそれほど投げさせずに、体を強くするトレーニングを中心にさせよう」と話し合ったんです。体幹もそうですし、神経系の練習を中心にさせようということになりました。それができるようになってから、筋肉を増やしたり、体を大きくするトレーニングに移行しようと。

 そして昨年はファームのローテーション投手として1年間過ごしましたが、おそらく球団はチーム事情も考え、シーズン途中に一軍で投げさせたいと思ったはずですが、そこを我慢できた。体が完全にできあがっていないのに一軍で投げると、回復するのに時間がかかってしまうんです。結果的に無理をして投げることになり、フォームを崩したり、ケガにつながったりします。とにかく、上沢の場合は入団して2年間はしっかりと体を作ることができたことが大きかったですね。

 ピッチングに関しては、もともとストレートは140キロ台中盤を投げていましたし、変化球もフォーク、スライダー、チェンジアップを投げていました。それよりも彼の場合は、コントロールの良さが印象に残っています。特に変化球はほとんど低めに集めてきます。そこが素晴らしいですよね。何年も一軍を経験している投手でも、なかなかできないことです。