【自転車】片山右京が語る後半戦の目標「UCIレースは全部勝つ」 (3ページ目)
「日本で開催されるUCIレースで総合優勝もできないようなチームが、ヨーロッパに行きますなんて言ってみたところで、向こうのクラス2やクラス1のレースで活躍できるわけがないじゃないですか。
UCIレースは、わざわざヨーロッパやアジア諸国から外国勢が参戦してくるんだから、そこで表彰台に上がることはいいアピールになるし、ヨーロッパに行くよりもコストパフォーマンス面でも効率的です。そして、その延長線上で、UCIのアジアツアーランキングで常に3番手くらいにつけていられるくらいになれば、強いチームだという認識も持ってもらえる。そうすれば、強い選手にも加入してもらいやすくなるだろうし、その布陣で存在感をヨーロッパで発揮できれば、さらにチーム力の増強や規模の拡大を図れる。
今の僕たちは、もちろんまだそのレベルには達していないけれども、その足がかりとして9月のツール・ド・北海道は勝ちを狙いたいし、Jプロツアーの後半戦も個人とチームの連覇を目指して戦います」
今年のツール・ド・北海道は9月11日から13日までの3日間のスケジュールで開催される。また、Jプロツアーのシーズン後半戦は、8月29日~30日に長野県宮田村で行なわれる、みやだ高原ヒルクライムとクリテリウムの2連戦から始まる。
「UCIレースを全部勝つ――なんて豪語すると、それを阻止したいライバルチームの闘志にさらに火をつけることになるでしょうね。でも、僕たちは奮起してくるライバル勢に勝たなければダメだし、そうやってぶつかり合うことでお互いがさらに強くなり、全体のレベルも向上していくんだと思います」
(次回に続く)
著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。
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