【自転車】片山右京「移籍1年目の窪木一茂が見る五輪の夢」 (4ページ目)

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira

 ロードレースの競技シーズンは春から秋。だが、トラックの場合は秋から冬にレースを行なうことが多い。窪木が参戦しているトラックレースのワールドカップも、11月から1月にかけて競技が行なわれる。つまり、ロードやトラックの選手たちがシーズンオフ期間のときも、窪木はいつもシーズン中、という状態にある。

「日本では珍しく思われるかもしれませんが、マーク・カヴェンディッシュ(※1)にしろ、ブラッドリー・ウィギンス(※2)にしろ、トラック出身ですからね。自分も彼らのように強くなりたいと考えているし、ロードとトラックの両方に参戦することで、両競技の認知にも少しは貢献できるかもしれない。それに、どっちの競技も強ければ、自転車選手として結局強くなるだろうと思ってやっています」

(※1)マーク・カヴェンディッシュ=2005年と2008年の世界選手権マディソン(二人一組のトラックレース)を制した現役屈指のスプリンター。オメガファーマ・クイックステップ所属の29歳。
(※2)ブラッドリー・ウィギンス=2004年アテネ五輪と2008年北京五輪のトラック競技個人追い抜きで金メダルを獲得したチームスカイ所属の34歳。

 ロードレースに関しては、2012年から2年間所属していたマトリックス・パワータグを離れ、2014年にTeamUKYOへ移籍した。移籍を決意したのは、土井雪広の存在が大きかったからだ、という。


(次回に続く)

プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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