【自転車】片山右京「移籍1年目の窪木一茂が見る五輪の夢」 (2ページ目)
このTeamUKYO各選手たちの中でも、独特の存在感を放つ選手がいる。福島県出身の25歳――、窪木一茂だ。大学時代は日大自転車部に所属し、卒業後は和歌山県庁に就職。その一方で、マトリックス・パワータグ(大阪)に所属して、Jプロツアーなどの国内ロードレースに参戦してきた。2014年からはTeamUKYOに移籍し、特にクリテリウムのレースなどで重要な戦力としてチームに大きく貢献した。Jプロツアー開幕戦の宇都宮クリテリウムでは3位に入り、第18戦・いわきクリテリウムでは優勝を果たしている。また、夏のツール・ド・北海道では個人総合4位に入った。
その一方で、窪木はロードレース以外にトラックレースにも参戦し、数々の優れた成績を収めている。11月下旬に開催された全日本選手権オムニアムでは、総合首位に立って全日本チャンピオンを獲得した。オムニアムとは、2日間で計6種目のトラック競技を行ない、各順位をポイント換算して合計ポイントを争う競技だ。オムニアムはオリンピックの正式種目として採用されているため、窪木はオリンピックに最も近い自転車選手のひとり――と言うことができるだろう。
今回の日本チャンピオン獲得について、窪木自身は、
「僕はチームの中で、トラックレースとロードレースの双方に参戦するという、特殊な環境で競技に参加させてもらっています。トラックレースでは、オリンピックを目指すという大きな目標があり、その中で重要な位置づけは今回のレース(全日本選手権オムニアム)だったので、そこで日本チャンピオンを獲れたことはものすごく達成感がありました」
と振り返る。
和歌山県庁の職員として日々の仕事をこなしながら、TeamUKYOのメンバーとしてロードレースに参戦し、また、トラックレースにも参戦する......。公務員+ロードレース+トラックレースという、三足のわらじを履く窪木にとって、レースに参加する日程の調整はもちろん、日々のトレーニング時間の捻出にもかなりの苦労をしているようだ。
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