【自転車】片山右京「移籍1年目の窪木一茂が見る五輪の夢」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第35回】

 11月下旬、ビッグニュースが飛び込んできた。2014年からTeamUKYOの一員としてレースに参加している窪木一茂が、トラックレースの全日本選手権で優勝し、日本チャンピオンとなったのである。ロードレーサーとしてTeamUKYOで戦い、トラックレーサーとしてオリンピックを目指す窪木に話を聞いてみた。

(前回のコラムはこちら)

トラックレースではオリンピック出場を目指すTeamUKYOの窪木一茂(左)トラックレースではオリンピック出場を目指すTeamUKYOの窪木一茂(左) 2014年もあと2週間を残すばかりとなったが、つい先ごろ、2015年シーズンのTeamUKYOのチーム体制が発表された。

 ライダーのラインナップは、2014年からの継続参戦となる土井雪広、サルバドール・グアルディオラ(スペイン)、窪木一茂、平井栄一、住吉宏太、湊諒、山本隼の7名に加え、畑中勇介、パブロ・ウルタスン(スペイン)、オスカル・プジョル(スペイン)の3名が新たにチームへ加入することになった。

 畑中勇介は、昨年までシマノレーシングチームに所属。Jプロツアーでの年間総合優勝や、ジャパンカップでの3位(2010年)をはじめ、UCIアジアツアーのレースで何度も上位入賞を経験している実力選手だ。パブロ・ウルタスンは、2013年に解散したプロツアーチーム、エウスカルテル・エウスカディ(スペイン)出身。また、オスカル・プジョルは、かつてオメガファーマ・ロット(現ロット・ベリソル/ベルギー)などに所属していた経験を持つ選手だ。昨年はスカイダイブ・ドバイ・プロサイクリングチーム(UAE)に在籍し、来日参戦したツール・ド・熊野ではステージ優勝を果たしている。

 2015年のTeamUKYOはこの10名の選手で、日本国内のJプロツアーやUCIアジアツアー、そして本場欧州のレースにも積極的に参戦していく予定だという。

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プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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