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【自転車】片山右京「スペイン人エースが語る、欧州との違い」 (2ページ目)

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

 ホセ自身も、「去年よりもきっと今年のほうが、競技レベルが高いんだよ」と、なかば謙遜のようなジョークを挟みながら、昨シーズンより厳しいレースが続いていることについて、以下のように分析する。

「今年は体調を崩して実力を発揮できないレースがあったし、フィリピンやイラン、ヨーロッパ等のUCIレースに遠征した際、国内のJプロツアーを欠場したことも、(厳しいシーズン展開が続く)理由のひとつだと思う。今後のJプロツアーは残り全戦に参戦するから、勝てる限り勝ち続けて、リーダージャージを守りたい。チームランキングでも、首位の座を取り戻すよ」

 この言葉にもあるとおり、TeamUKYOは今年の夏、初の欧州遠征を行なった。スペインのワンデーレース「ビアフランカ・オルディシアコ」と、ポルトガルを1周するステージレース「ボルタ・ア・ポルトガル」は、いずれも長い歴史を持つ格式の高いレースだ。TeamUKYOにとっては、サイクルロードレースの本場欧州との実力差を思い知らされる結果になったことは、以前にも紹介した(第19回コラム「欧州初レース。太刀打ちできなかった」参照)。だが、チームにとっては初参戦のレースでも、スペイン生まれのホセからすれば、この遠征はいわば里帰りのようなものだった。

「ビアフランカはスペインでとても有名なレースだし、難易度も高い。いいレースができたと思うよ。ボルタ・ア・ポルトガルも、チームにはとてもいい経験になったと思う」

 そう語るものの、ホセ自身はプロコンチネンタルチームのアンダルシアに所属していた2011年に、このボルタ・ア・ポルトガルでステージ優勝を達成している。そのときと比べると、今年は目覚しい成績を残すことができず、苦戦を強いられた感も強い。そのことについて訊ねると、彼はこんなふうに返答をした。

「レースのレベルそのものは、3年前も今年も同じだと思う。むしろ、僕自身がスペインで走らなくなって長いので、それが理由なのかもしれない」

 一般論として、日本と欧州の競技水準に大きな開きがあることは、多くの関係者が指摘するところだ。その実力差を埋めるためには、10年以上の視野で選手を育成していく必要がある、という声もある。

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