【新車のツボ154】スズキ・スーパーキャリィ、免許に優しい無敵のアシグルマ (2ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 軽トラはとにかく小回りがきいて、農道や漁港だけでなく、都会のど真ん中でも機動性がメチャクチャ高い。まあ、軽トラは2人しか乗れないし、荷台も"吹きさらし"だが、ひとり乗りなら手荷物は助手席に置けばよく、アシグルマ限定なら荷台はそもそも不要だ。しかし、その荷台こそが、(天気さえよければ)キャンプにイベント、家電や家具の買い出し、そして軽い引っ越しにも使える......という軽トラの恐るべき底力の象徴でもある。

 そんな静かな軽トラブーム(?)を見越してスズキが2018年春に発売したのが、スーパーキャリイである。このクルマのなにがスーパーかというと、写真からもひと目で分かるように、軽トラ標準モデルのキャリイに対して室内空間が大幅に広くなっていることだ。

 具体的にはキャビンを460mm延長してあり、さらにハイルーフ化して天井も120mm高い。これによって、シート背後に奥行き約25cmという有用な荷物スペースが生まれただけでなく、シートのスライド量やリクライニング角度も明確に増えた。そして、天井は見上げるほど広々としている。

 普段使いのアシグルマとして見たときの軽トラ最大の弱点は、キャビンのせまさだった。2人乗ってしまうとハンドバッグの置き場すら困るのも問題だが、シートの調整幅が少なく、大柄な体格だとハッキリと窮屈なのだ。しかし、スーパーキャリイなら体格を問わずにほぼ理想的なドライビングポジションに調整できるし、2人でちょっとした買い物や旅行にも出かけられるだろう。そのぶん荷台は短くなっているが、アシグルマとしての軽トラにとって、荷台はオマケにすぎない(?)ので、まったく問題ない。

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