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【新車のツボ142】スズキ・エスクード、
コンパクトSUVの元祖なのだ (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text&photo by Sano Hiromune

 エスクードの駆動方式は4WDしかなく、しかも過酷な場面で重宝する前後直結"LOCK"モードつきだ。地上高もたっぷりで、本格的な悪路性能もけっこう高い。それにサイドまで回り込んで上からかぶせた形状のボンネットや見切りのいいボディデザイン、きちんと正しい姿勢で座れるドラポジなど、随所に「オレが元祖だ、なめんなよ!」というツボがにじんでいるのがマニアには嬉しい。エスクードで30年、ジムニーにいたっては50年近い歴史をもつスズキは、世界的にも指折りの老舗ヨンクメーカーでもある。この種のクルマにはプライドがあるのだ。

 ただ、今のエスクードでは、シロートではおいそれと試すこともできない悪路性能のほかにも、もうひとつツボがある。それは舗装路でのアツい走りである。

 現行エスクードには最近まで1.6リッターエンジンしかなかった。まあ、それでも相応によく走ったが、「なんか物足りないなあ」だったのも正直なところだし、日本の自動車税制では1.5リッターをわずかに超えるだけなのに、税金は2.0リッターと同額......という中途半端感があったのは否定できない。

 そんなエスクードに新しく加わったのが1.4リッターターボである。このエンジンは最近流行のダウンサイジングターボで、日本では1.5リッターの税額で、実力は2.0リッター相当以上......というお得感がある。

 そんなお得パワーを得たエスクード1.4ターボの走りは、いよいよ「キター!」の感が強い。今のスズキでは、あのスイフトスポーツに次いでスポーティと断言していい。

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