【新車のツボ133】マツダ・アテンザ・ワゴン、このクラスでまさかのマニュアル人気 (3ページ目)

  • 佐野弘宗●文・撮影 text&photo by Sano Hiromune

 実際、とことん改良の手が加わって熟成しまくったアテンザは、クルマとしても今が旬である。インテリアの高級感や作りこみはデビュー時よりさらに高度になっているし、19インチというスーパーカー級タイヤからは想像しがたいほど、乗り心地は優しい。

 それに、極寒の冬に重宝するシートヒーターは当然のごとく用意されるが、さらに国産車ではまだめずらしいステアリングヒーターまで備わる。私のように身体中の末端がめっきり冷えるようになったアラフィフオヤジには、これは涙が出るほどありがたい。

 また、最新のアテンザにもオタク界隈で話題の"Gベクタリングコントロール(GVC)"というマツダ自慢の秘密兵器が備わる。

 GVCは特殊な部品やメカが追加されているわけではない。既存のセンサーやエンジン制御装置をそのまま使って、電子プログラムだけで「ステアリングを切ったらエンジンパワーを少し絞る、そしてステアリングを戻すにしたがって、そのパワーを少しずつ復活させる」という制御を裏でおこなう。

 この技術は、加減速で荷重移動させながら前後タイヤのグリップを微妙にコントロールする......というプロドライバーの技をクルマ側で自動でやってくれるのが基本原理。それをもって「うまい運転のコツを自動でやるなんて邪道!」と拒絶反応を示すオタクも一部にいるが、それは誤解。

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