【新車のツボ96】トヨタ・ランドクルーザー70試乗レポート

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 以前、トヨタ・ランドクルーザー200(第33回参照)を取り上げたとき、「ランクル(=ランドクルーザーの愛称)を名乗るトヨタ車は現在も数種類ある」と書いた。今回のランクル70(通称ナナマル)もそのひとつで、ナナマルはランクルのなかでも最もシンプルで、最も壊れにくく、そして悪路走破性能が高い。......ということは必然的に、ほぼ世界一頑丈で、世界一どこでもいけるクルマである。

 ナナマルはそもそも、ランクル40の後継機種として1984(昭和59)年にデビューして、国内販売は2004年にいったん終了した。

 もっとも、中東やオーストラリアなどで根強い......というか、「これがなくては生きられない」という切実な需要があって、ナナマルの生産はそれ以降もずっと続いていた。中東関連などのニュース映像をマニア目線で視ていると、背後に必ずといっていいほどランクル(大半がナナマル、ときどき200)が映っていることに気づく。

 ランクル200やランクル・プラドは日本でもおなじみだが、「ナナマルこそ真のランクル」と、古いナナマルを大切に乗り続けたり、海外からの逆輸入車に乗る筋金入りのマニアが少なからず存在する。そんな彼らのラブコールを受けるカタチで、トヨタは昨年から期間限定でナナマルの再販をスタートした。それが今回のナナマルである。

 10年ぶりに日本で復活したナナマルには、以前も販売されていた「バン」に加えて、いかにもマニアックな「ピックアップ」(=トラック)も用意される。

 その構造はとにかく本格的。ボディと下のフレームは独立しており、前後サスペンションはゴツいリジッドタイプ。4WDも今どきめずらしい手動切り替えのパートタイム式だ。

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