酒井高徳のキャプテン経験は、過酷なアウェーのイラク戦でこそ生きる (4ページ目)
Photo by Yamamoto Raita
酒井選手は、左右両サイドバックのほか、ボランチとして出場することもあるユーティリティープレーヤー。もともと右利きですが、「右足よりも左足のほうがクロスを上げやすい」と話すように、現在は両利き。左右両方で質の高いボールを蹴れることが、HSVで複数のポジションをこなす上での強みになっていますし、それは日本代表でも同じだと思います。
酒井選手は、2010年の南アフリカW杯には香川真司選手らと共にサポートメンバーとして日本代表チームに帯同し、2012年のロンドン五輪に出場すると、2014年ブラジルW杯では追加招集で代表メンバー入り。出場機会はなかったものの、紅白戦では、仮想コートジボワール、仮想ギリシャとして先発選手たちの練習相手になり、チームに貢献しました。
献身的にサポート役に徹していた酒井選手ですが、日本のグループリーグ敗退が決まった3戦目のコロンビア戦後、「悔しさ」がこみ上げてきたといいます。
ブラジルW杯では、日本の右SBは内田篤人選手でしたが、このときの内田選手はケガのために右ヒザをテーピングでぐるぐる巻きにしている状態。「そんな故障を抱えていた内田選手と比べても、自分は監督が起用しようと考える選手ではなかったんだ......」と思うと、悔しくて涙が溢れたそうです。
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