酒井高徳のキャプテン経験は、過酷なアウェーのイラク戦でこそ生きる (2ページ目)
Photo by Yamamoto Raita なによりもキャプテンとして背負うプレッシャーは非常に大きかったといいます。HSVは、1963年から現在まで、ブンンデスリーガで唯一、2部に降格したことのない伝統あるクラブ。そのホームスタジアムには、1部に在籍している時間を刻み続けている時計があり、以前、酒井選手は『やべっちF.C.』の取材で「自分がキャプテンになって、(クラブの1部在籍の継続を)途切れさせることがあってはいけないという重圧は相当なものです」と話していました。
シーズン中、ヒリヒリとした試合が続くなか、酒井選手がキャプテンとしてもっとも気を配ったのは、チームメイトとのコミュニケーションでした。
「チームが勝つためには、ベンチメンバーを含めた25人が一丸とならなければいけない」と考えた酒井選手は、とりわけ、調子を落としている選手や、出場機会がなく不満を抱えていそうな選手に積極的に声をかけていたそうです。
自分のプレーやコンディションの問題、さらにはキャプテンとしての重責に悩むことも当然あったそうですが、「そのことを口にすると負のオーラが出てしまって、チームによくない影響が出そうでしたから」と、ぐっと我慢。自分が何をすべきかを考え、チームのことを最優先していたのです。
酒井選手はキャプテンになる前から、もともと周囲への気づかいを大切にしていたそうです。また、チームメイトから「落ち着いている」と言われることが多く、今シーズンのキャプテンとしての経験で、さらに動じることなく平常心でプレーすることができるようになったといいます。
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