世界記録よりもメダルを。
競歩・鈴木雄介選手がこだわる調整の極意 (4ページ目)
鈴木選手の歩き方も、上半身がまったくブレることがなく、滑るようにスムーズに前進していきます。歩くという行為を「あそこまで速くきれいにできるのか」とうっとりしてしまうほどです。
合宿中はときどきビリヤードをして息抜きをしていたという鈴木選手。食事に非常に気をつかっていて、炭水化物はほとんど取りません。ランチには、近くのスーパーで買った野菜を自分で切り、綺麗にお皿に盛り付けて持参していました。「こんな色とりどりなサラダを、MY包丁とMYまな板で、部屋で作ってくるのかぁ……」と微笑ましくなりました。
そんな鈴木選手の大敵は甘いもの。いちばん好きなチョコレートでさえ、「自分の体にもっとも悪い影響を与えるから」と、ずっと我慢しています。太りやすい食べ物は人それぞれ違うといいますが、それについてもしっかりと分析をして、徹底しているのです。
鈴木選手がそこまで食事に気をつけている理由は、「なるべく調子の波がないように、常に調子のいい状態を維持していたいから」。
競歩は日頃の積み重ねがとくに必要な競技なので、「理想は1年中調子がいいこと。常にいい状態で練習ができるようにしていたい」と鈴木選手はストイックそのもの。常に気持ちの余裕を持って練習をして、「絶対に無理をしない」ことを信条にしているのです。
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