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大学のゴルフ部で見た松山英樹選手の意外な一面 (3ページ目)

 松山選手は、思っていることをストレートに話す実直なアスリートだと思います。質問にどう答えていいかわからなかったら「わからない」とはっきり言われることもありました。だからこそ「自分のありのままの姿で勝負しよう」という気構えが見えて、芯がブレない。私はそこがすごくカッコいいと思いました。

 今年、プロになってからお話しを聞いた時には、「マスターズでプレイしたことで自分の考え方がすごく変わった」と言っていました。「またあの舞台でプレイをしてみたいし、あそこで勝つためにはどうしたらいいかをすごく考えるようになった」と。

 先日のインタビューでは、1対1で話を聞いたのですが、顔つきも体つきも、まとっている空気感も、以前と比べると「男らしくなった」という印象で、もともとキリッとしていた眉毛もますますキリッとなっていました。

 この先、世界のトップ選手と渡り合いたいと考えていると思いますし、マスターズは「すごく心ひかれる場所。成長させてくれる場所」と話していたように、大きな目標のひとつなのだと思います。また、「まだまだそんなレベルではないですけど」と言いながらも、将来は「日本ゴルフ界の中心選手になれれば」と語ってくれました。

 松山選手がこれから海外に出て、世界のトップゴルファーと戦う環境で揉まれていくことを考えると、その成長を見ていくのがとても楽しみで、2回しか取材していないのに、もう完全に「親戚のおばちゃん目線」です(笑)。

 松山選手は、自分が注目されていても気持ちを隠すことなく、自分の調子が悪いことや、ムシャクシャしていることも、感情をそのまま表現していて、昭和の大人物のような器の大きさを感じます。まだ21歳の松山選手は、たとえるならまだ硬くなっていない柔らかい紙粘土のようで、これからどんな形になっていくんだろうとワクワクさせてくれるアスリートのひとりです。

構成/折山淑美

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