モドリッチがユニークなプレーを成功させる理由。ものすごい空間認知の中身
スポルティーバ 足ワザ100連発
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レアル・マドリードの中心選手であり、クロアチアの英雄、ルカ・モドリッチ。魔法のようなキックやトラップで数々のゴールシーンを演出してきた。今回も元日本代表の福西崇史氏に、モドリッチのテクニックを実際にプレーしてもらい、特徴とマネするべきポイントを聞いた。
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モドリッチの空間認知に優れたプレーぶりを解説する photo by Getty Images↓【動画】モドリッチのテクニック 実演&解説
モドリッチのプレーは意外とユニークというか、発想がいいですね。基本技術が高いうえに「アウトループパス」のようにキックの種類も多彩ですし、相手の意表を突くプレーの選択肢が多い。今回紹介した「キックフェイントトラップ」などは、僕にはない発想です。
これは実際にやってみて、かなり難しかったです。インサイドキックの体勢のまま、インパクトのところでボールを止めるワザ。やったことがないので、なかなかできませんでした。ただ、相手はあの体勢でボールを止められたら、絶対に「パスをする」と思って引っかかってしまいますよね。
モドリッチのように、アウトサイドで正確にボールを蹴れる選手は足首が柔らかい。その柔軟性があるから、インサイドキックの形のままボールを止められるのだと思います。
「キックフェイントトラップ」。インサイドキックの形でボールを止めるユニークな足ワザ この「キックフェイントトラップ」はスローインを受けるシーンで使いますが、スローインの場面を日本のプレーヤーはもっと大事にするべきだと僕は思います。ボールを受けるほうも、投げるほうもそうですが、「空間認知」ができていない印象があるからです。
これはキックと同じで、小さいころからたくさん投げたり、受けたりしているかどうかに関係してくる部分だと感じます。最近では「ロングスロー」ばかりが注目されますが、さまざまな距離感でのスローイン技術が年々下がっているような気がします。
蹴るパスの精度と同じで、スローインも味方の右足に投げるのか、左足に投げるのか。または、胸に投げるのか、足元に投げるのかなどを考えて投げないといけません。足より器用な手でプレーするからこそ、そこまで繊細にできるはずなのですが、プロでもなかなかできていません。
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