2021.06.19

ロナウドは美しい姿勢でバリアを張る。「必殺シザーズ」を分析した

  • 松岡健三郎●取材・文 text by Matsuoka Kenzaburo
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

スポルティーバ 足ワザ100連発
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世界トップレベルのサッカースターたちのテクニックを、紹介・解説していく連載。第5回は長年世界のトップクラスを走りつづけるクリスティアーノ・ロナウドを取り上げる。元日本代表の永井雄一郎氏に数々のプレーを実演してもらい、そのポイントやプレーの特徴を聞いた。

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常に姿勢が良く、周りを見ながらドリブルするロナウド photo by Getty Images常に姿勢が良く、周りを見ながらドリブルするロナウド photo by Getty Images この記事に関連する写真を見る ↓【動画】ロナウドのテクニック 実演&解説

 クリスティアーノ・ロナウドの特徴と言えば、常に上体が立った姿勢でプレーできるところです。

 昔、浦和レッズとマンチェスター・ユナイテッドが試合をしたことがあります。その時に彼を後ろから見ていて、どんなプレーでも体の軸がまったくブレなかったのが印象的でした。

 頭の上から棒が入っているのかと思うくらい、横にも斜めにもブレない軸の強さがあります。例えば「連続シザーズ」をしても、まったくブレない。シザーズをやる時は、どうしてもまたいだほうの足に重心が乗って、体を戻すのに少し時間がかかります。でもロナウドは何回またいでも軸がブレないので、すぐに次のプレーができるんです。

 彼のシザーズは、またいで相手の逆を取ることもありますが、多くの場合は自分のリズムをつくる助走だと思います。またぎながら「これから動くぞ」という感じで助走して、相手を足元に飛び込ませないように、バリアを張っているような感じですね。

 そこで相手を止めてから、グッと一気に加速して抜き去ります。シザーズで自分の間合いをつくれたら勝ち、みないなところがありますね。

 あとは、ドリブルでのボールの置きどころが特徴的です。

 ロナウドの走り方はヒザが上がっていて、陸上選手に近いです。姿勢がよく、ボールは体の前にあり、ドリブルはつま先でボールタッチします。

 この形は、ボールが体から離れて、自分が何もできない(ボールを触れない)時間が生まれますが、その分スピードとリーチがあるので、相手に簡単には取られません。

 これがメッシの場合、体の真下、両足の間にボールがあって、いわゆる「懐が深い」という形です。彼も簡単にはボールを取られません。