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車いすラグビーの大会で2万人来場を実現 オイシックスが携わるパラスポーツ支援とプロ野球運営の理由 (4ページ目)

  • text by Sportiva

それぞれの課題と未来

 オイシックスが関わるパラスポーツとプロ野球は、これまでの実績や蓄積が違うため、今後の課題についてもその内容は異なる。パラスポーツでは過去の実績を踏まえ、その維持と発展の段階にいる。

「パラスポーツは安定的にコミュニケーションが取れるようになってきたので、運営上で大きな課題はないかなと思います。ただ、まだようやく関心を向けていただいた段階で、東京大会とパリ大会が終わってロサンゼルス大会まで社会の機運として盛り下がらないようにしていかなくてはいけません。今後も社内的に継続して盛り上げる仕組みを考えていきたいと思っています」(前田氏)

 オイシックス新潟アルビレックスBCについては、オイシックスとして初年度を終えたばかりであるため、「課題は山ほどある」と太野氏は言うが、まずは原資の獲得が喫緊の課題と考えている。

「球団のほうは、ビジネスを成り立たせるための基盤がまだ弱いというのが前提です。試合をこなしていくだけではダメで、積極的に投資したり、仕掛けたりしていく必要があると思っています。その原資をどう生み出していくのか、営業もそうですし、イベントを行なって来場者を増やすことも必要です。今はまだ潤沢な活動資金がないことが課題になります」(太野氏)

 今後の球団経営をさらに強化・安定していくことに意欲をみせるが、ただ稼ぐことに注力すればいいかというとそうではない。太野氏はオイシックスの理念も踏まえ、球団経営のビジョンを語る。

「我々の会社には常に食をとおした社会課題解決や問題解決という視点があります。球団経営においては、まずは新潟を盛り上げること、そして地方創生がうまくいくことが大切です。地域での認知度が上がることで、我々にもメリットがある状態を作る。ウィンウィンの状態を目指した取り組みが必要です。その課題解決・問題解決が進まないと球団には還元されないと思っています。まずはそこに注力していきます」

 市場を開拓し、着実に成長してきたオイシックス。パラスポーツでの実績は同社の理念がもたらしたのは間違いない。球団経営への参画もきっと着実な前進と発展を見せていくことだろう。


オイシックス・ラ・大地 株式会社
太野正浩氏(社長室室長)右
前田有香氏(HR本部本部付DE&I委員会事務局)左

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