車いすラグビーの大会で2万人来場を実現 オイシックスが携わるパラスポーツ支援とプロ野球運営の理由
車いすラグビーの今井友明選手とゴールボールの川嶋悠太選手が社内で行なわれた「パラアスリートから学ぶDE&I研修」に参加 写真提供:オイシックス・ラ・大地
スポーツでも一線を画す取り組み
食品ECおよび宅配市場を切り開いてきたオイシックス・ラ・大地(以下、オイシックス)。年々事業を拡大しながらも、世の中の食に関する問題や復興支援活動など社会課題を解決する取り組みにも従事してきた。独自の事業と社会貢献で注目されてきた同社は、スポーツの分野でも他とは一線を画す取り組みをしている。
その始まりは2016年8月から。まずは車いすラグビーのサポートを開始すると、2017年11月には日本ゴールボール協会とサプライヤー契約を締結した。そして2018年7月にはオイシックス代表の高島宏平氏が日本車いすラグビー連盟の理事長に就任し、継続的なパートナーシップを築いてきた。
さらに2023年11月にはパラスポーツの領域を超えてプロ野球にも参画。新潟アルビレックス・ベースボール・クラブとスポンサーシップ契約および資本提携契約を結び、新潟アルビレックスBCの責任会社であるNSGグループとオイシックスの2社で、新潟アルビレックスBCの株式の過半数以上を取得。「オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」というチーム名で、2024年シーズンからプロ野球イースタン・リーグに参加している。
4日間で2万人が来場
パラスポーツとプロ野球。ジャンルが大きく異なるスポーツをサポートしているオイシックス。これらはどのようなビジョンのもとに進められてきたのだろうか。まずはパラスポーツに関わる同社のHR本部 本部付DE&I委員会 事務局の前田有香氏に話を聞いた。
「車いすラグビーのスポンサーになった当時は、会社としても東京2020に向けた機運醸成を担う必要があると考えていました。パラリンピックについてはPR活動がまだ不十分な面があり、認知度不足でスポンサーがつきにくい課題を抱えている面がありました。そこで一緒に盛り上げることができないかと考え、車いすラグビーを支援し始めました」
パラスポーツにもさまざまな競技があるが、車いすラグビーに着目したのは、本業との関りが大きかったという。
「当時は、パラスポーツのどの団体もそうですが、食事面で課題を抱えていました。そのなかで車いすラグビーは団体種目であり、金メダルの有力候補だということで、企業の強みを引き出せそうと考えて支援を開始しました。ゴールボールも同じ理由で、純粋に競技が面白いところも支援の決め手のひとつでした」
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