MLBとJTBが提案する新たなスポ―ツ観戦の形 スポーツホスピタリティの展望と契約の舞台裏

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MLBの十原啓志郎氏(左)とJTBの五十嵐善寿氏(右) photo by Ishikawa TakaoMLBの十原啓志郎氏(左)とJTBの五十嵐善寿氏(右) photo by Ishikawa Takao 今年3月、日本中で大きな話題となったのが、韓国で開催されたMLB(メジャーリーグ ベースボール)のWORLD TOUR ソウルシリーズ 開幕戦、ロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスの対戦だ。圧倒的な存在感を見せる日本人選手たちの活躍を観に、日本からも多くのファンがソウルに足を運んだ。

 そのなかでとくに注目を集めたのが、JTBとMLBが企画した「MLB開幕戦公式観戦券付きホスピタリティ・パッケージ」だ。内野席での試合観戦券、オリジナルギフト、MLB仕様に装飾されたホテル会場での昼食、MLB仕様のラッピングバスによる往復送迎などが含まれた贅沢なパッケージで、この応募の倍率が200倍を超えていたという。

 JTBは2024年より、MLB WORLD TOUR(国際試合)、そしてアジアにおけるトラベル&ホスピタリティ事業のオフィシャルパートナーとなったことで、このような観戦体験の提供を実現。すでにMLBのレギュラーシーズンやオールスターゲームのホスピタリティ・パッケージも販売し、大きな反響を呼んでいる。ここでは、契約に至った経緯や反響、今後の展開などについて、MLBの十原啓志郎氏と、JTBの五十嵐善寿氏に話を伺った。(以下、敬称略)

2015年から契約を模索

―― MLBはかねてより、野球のビジネス、マーケティング、地域社会との関わりを世界中に浸透させることに尽力されてきました。その戦略として、アジア、日本のマーケットについて、いつ頃から、どのような構想で進められていたのでしょうか。

十原 もともとインターナショナルオフィスの歴史は古いですが、そのなかでもアジア地域には長年、力を注いでいて、MLB Japanは2004年に設立されました。戦略として実施してきたことは大きくふたつありまして、そのひとつが、MLBが有するソーシャルメディアなどのプラットフォームを活用して、選手たちの活躍や各MLB都市・球場の魅力、歴史的な瞬間、ユニークなコンテンツをしっかりと届けることです。

 もうひとつが未就学児や小学校低学年など、まだ野球をやったことがない子どもたちを対象に、野球と触れる機会をつくる「PLAY BALL」というイベントを全国各都市で開催しています。これらを通して、野球の楽しさと基本を体験していただき、野球の競技人口を増やしていくことが重要だと考えています。それがビジネスにもつながっていくのではないかと信じています。

―― JTBは、いつ頃から、どのような戦略の元、MLBとの取り組みを模索されていたのでしょうか。

五十嵐 我々はこれまでもサッカーやラグビー等に注力をしていましたが、2015年から新たなコンテンツとしてMLBに着目していました。それ以降、日本人選手の活躍や昨年のワールド・ベースボール・クラシックの盛り上がりを見て、野球に対してグローバルスポーツの可能性を強く感じたことから、2024年1月に国際パートナーシップを締結させていただきました。

―― パートナーシップ締結の理由として、MLBは、JTBにどのような価値を感じたからでしょうか。

十原 実は2015年に我々からJTB様にアプローチをさせていただきました。MLBの観戦ツアーはそれまでもありましたが、JTB様は違うアプローチ、いわゆるホスピタリティという新しい部分に着目されていました。我々の目指すMLBの体験・体感を向上させる意味で、ホスピタリティは非常に重要な要素だと思っており、それを実現していただけるというところにJTB様に対して高い価値を感じました。

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